吾郎の語録

トラベルガイド株式会社社長の阿部吾郎が、思いつくまま勝手なことを述べるブログです。できるだけためになる事を書こうと思いますが、どうでもいいこともたくさん書きますので適当にお付き合いください。

ランドオペレーター考

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昨日、ランドオペレーターが脱税で捕まったという話題がテレビのニュースなどでも取り上げられていた。

「ランドオペレーター」この言葉が一般のニュースで出てくることに、違和感を感じる。これは完全な旅行業界の業界用語だからだ。こんな話題が出るのもインバウンド(これも以前は旅行業界でしか聞かない言葉だった)が増えたからだ。

ニュースでも解説されていたが、ランドオペレーターとは旅行会社の依頼を受けて現地の手配をする、いわば下請け業者だ。日本人が海外に旅行する際も、それぞれの国のランドオペレーターにお世話になっている。

今回は、海外から日本に来る外国人を対象としたランドオペレーター業者が脱税をしていたという話だが、それに付随して、ランドオペレーターは特に免許や登録制度がなく誰でもできるので怪しい業者が多く、ぼったくり店にお客を連れて行くなど問題が多いという指摘もされていた。

日本人がパック旅行で海外に行く場合、JTBやHISなどの大手旅行会社は、現地法人を持っている場合が多いが、現地法人を持たない中小の旅行会社は必ず現地のランドオペレーターを利用している。だから、A社で申し込んでもB社で申し込んでも、結局同じランドオペレーターを使っており、ツアーの内容としては同じである場合も多い。また、大手旅行会社の現地法人も独立採算性を取っているケースが多く、自社以外の旅行会社の手配を引き受けているケースも多い。大手旅行会社の現地法人もランドオペレーターの一種とも考えられる。

ちなみにHISの現地法人は積極的に他社の手配を請け負っており、中小の旅行会社でツアーを申し込んでも現地はHISであるケースも多い。なお、この場合HISという名前はお客には出さないようにしており、別のブランド名を使っているので、気づかないケースが多いだろう。

昔は日本人もよくランドオペレーターと結託した悪質お土産店にぼったくられるというケースがあった。日本人がさんざん買い物をした「デューティーフリーショッパーズ」は(今でもある)、旅行会社に多額のキックバックを支払う、ぼったくりとまでは言わないまでも、決して安くないお店であった。まあ、昔は日本ではまだ売られていないようなブランド品もあったし、内外価格差もあったので、お客の方にもメリットはあったのだが。

お土産店に連れて行き、ランドオペレーターがキックバックを受ける。その代り、旅行会社に対しては、安く手配を請け負う。この構図が、格安ツアーを支えてきた。日本人が海外で買い物をしなくなってきたので、この構図はだいぶ崩れてきた。今では、現地でお土産店に連れて行かれるケースも減ってきた。それでも台湾、韓国あたりでは根強く残っている。このやり方が良いか悪いかは別として、この方式のおかげでお客が安く旅行に行けるというメリットを享受しきたのも事実である。

これまで、日本人が海外旅行で経験してきたことを、インバウンドで日本を訪れる外国人も経験しているというわけだ。ランドオペレーターも商売だから、いろいろ考えて儲けようとするのは仕方ないと思うが、度を超して日本が嫌いになってしまうような悪辣な手法や、安全を軽視して経費を抑えるような行為は勘弁していただきたいものだ。