現在、私がメインに使用しているカメラはニコンのD810だ。わりと最近、D800Eから買い替えた。次のモデルチェンジまで待とうと思ったのだが、知り合いのカメラマンから、D810は一見D800からのマイナーチェンジに見えるが、フルモデルチェンジと言ってもいいほど進化していると言われて買い換えた。
新しい機能の中で、感動したものの一つが「ハイライト重点測光」だ。従来の、スポット測光は、フォーカスポイント周辺で測光するものだが、このハイライト重点測光は、画面の中で、もっとも輝度の高い部分を基準に測光するものだ。これが、夜景撮影を始め、明暗差の激しい場面での撮影ではめちゃくちゃ便利だ。暗い中に、明るい被写体が点在するような場面では、明るい部分が白とびしないよう注意が必要だが、ハイライト重点測光にしておけば、白とびの心配がない。
この写真、真ん中のステージに書かれている文字まではっきり読み取れる。
日が沈む直前で、明るいステージとはかなりの明暗差があった。もちろん、手前の客席や後ろの木はかなり暗くなるが、レタッチで起こせばこのようになる。
ちなみにマルチパターン測光で同じ被写体を撮影したら、ステージは露出オーバーで、白い部分に書かれた文字は判読不能だった。中央部重点測光、スポット測光だと、ステージはきれいに撮れるが、まわりが暗くなりすぎてレタッチでも厳しい状態だった。
蛇足だが、上の写真はステージと周りのホワイトバランスが極端に違うという問題もはらんでいる。ステージ以外の部分の青さを解消しようとして全体の色温度を上げてしまうと、ステージ部分が赤くなってしまう。もう少し微調整が必要だが、今回は測光の話なので、ホワイトバランスはオートで撮影しそのままとした。