吾郎の語録

トラベルガイド株式会社社長の阿部吾郎が、思いつくまま勝手なことを述べるブログです。できるだけためになる事を書こうと思いますが、どうでもいいこともたくさん書きますので適当にお付き合いください。

黒目川で改めて食物連鎖を実感する

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前回ご紹介した日本固有種、セグロセキレイの給餌の様子だ。「そんなん食ってうまいのか!」と、おもわず突っ込みたくなるような気持ちの悪いものを与えている。おそらくトビケラの幼虫か何かだろう。

こういった水棲昆虫は、イソシギやキアシシギもよく食べている。黒目川には、こうした水棲昆虫がかなりたくさんいるようだ。コサギは、ウキゴリやヌマチチブといった魚をよく食べている。カワセミは、稚鮎などの小魚をよく食べている。時にザリガニを食べたりもする。先日ご紹介したが、アオサギはスッポンまで食べていた。カワウは、巨大なコイを飲み込んでいた。黒目川は、住宅地を縫って流れる都会の川だが、こんなに水棲生物が豊富なのには驚かされる。

裏を返せば、こういった餌が豊富だからこそ野鳥もたくさんいるのだ。野鳥を観察し始めてから、魚にとっていかに鳥が驚異かよくわかった。空から飛んできていきなり食われたたまったものではない。バッタ、蝶、芋虫などもよく鳥に喰われている。昆虫にとっても鳥は天敵だ。

一方、鳥の雛は猫や蛇などの格好の獲物だ。鷹やトンビは黒目川では見かけないが、小型の鳥を襲うモズはよく見かける。鳥を襲う鳥もいるのだ。こうしてみると、自然界は本当に厳しい。食うか食われるかだ。

このように、自然というのは残酷だが、黒目川をちょっと散歩しただけでも、生物の多様性がいかに大切なことであるかもよくわかる。食物連鎖があって、自然界が成り立っているなんて言う理屈は、頭ではだれでも知っているだろうが、自然を観察して少しでもそれを実感すれば、見方が全然変わってくる。

テレビ見たり、パソコンやスマホいじったり、都会のおしゃれな店で食事したり、現代社会では大切なことかもしれないが、人間だって自然の一部なのだから、たまには自然を見て、感じることも重要だと、気づかされたように思う。

黒目川で作品を撮りためて、どこかで発表できれば面白いかと、ちょっと色気を持って最近は撮影している部分もあるが、自然を実感できただけでも、野鳥観察の価値があるなとも思っている。