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兵庫ツーリズム視察ツアー報告第6弾です。
今回は、尼崎のお話です。
以前、私は神戸市に住んでおり、大阪に通勤していたので、尼崎はそれこそ何百回も通過している。しかし、尼崎で下車する機会は全くと言っていいほど無かった。尼崎の印象と言えば、ちょっとがらの悪そうなところ(尼崎の皆様申し訳ございません)というぐらいだった。しかし、今回の視察で尼崎のイメージが一変した。
まず、尼崎が城下町であることを初めて知った。この写真は、阪神尼崎駅のすぐ南側にある、寺町の風景だ。
大坂夏の陣の後、西国支配の拠点とするため、1617年に譜代大名の戸田氏鉄が尼崎城の築城を命じられた。翌年から築城がはじまり数年で尼崎城が完成する。その際、城下町を建設する中で、11のお寺がこの地に集められたのだ。
こちらが、その中のひとつ「本興寺(ほんこうじ)」である。1420年創立のお寺で、尼崎城築城の際、この地に移った。
本興寺の方丈の上段の間、松の間には、見事な襖絵や壁画がある。この部屋は伏見宮家や歴代尼崎城城主の接待所としても使われていたそうだ。
寺町のシンボル「長遠寺(ちょうおんじ)」の多宝塔。この寺は、1350年の創建で本興寺と同じく、尼崎城築城の際この地に移築された。
寺町にある、地元の人々に人気のたこ焼き屋さん「岡」。14個200円とめちゃくちゃ安い。今回は残念ながら食べる時間が無かった。
寺町付近でこんなマンホールを発見。
尼崎城は現存しないが、地元ではかなり尼崎城押しのようだ。ちなみに、家電販売のエディオンの社長が尼崎出身で、彼が出資して尼崎城を再建する計画があるそうだ。すでに、工事は始まっており、2018年の8月には完成するらしい。
庄下川のほとりに中央図書館があり、その前に城壁が残っている。
以前、尼崎高校などの校舎として使われていた建物で、現在は「尼崎市立文化収蔵庫」となっている。尼崎の歴史に関する文物を展示している。入場は無料、月曜休館。
正面の小山の中に「尼崎城天守閣遺蹟」と書かれた碑があるが、この碑自体が何度か移されており、実際は、この場所は尼崎城の内堀の中にあたるそうだ。
昔の学校の風情が残っている廊下。
常設展示されている、尼崎の巨大な地形模型。
この建物は「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画のロケ地となり、映画の中では病院として使われていた。その時使われた看板などが展示されている。
尼崎市立文化収蔵庫から、阪神尼崎駅に戻る途中にある公園。「三の丸公園」という名前も、ここが城下町であることを物語っている。
阪神尼崎駅の近くにある、阪神電鉄旧尼崎発電所。明治37年に竣工した建物で、100年以上の歴史がある。
今回廻ったのは、阪神尼崎駅南側の周辺のみだが、尼崎にはまだまだたくさんの歴史的遺産が残されている。再度機会を作ってゆっくり散策してみたいと思う。
関西在住の方も、意外とこのあたりにことは知らない人が多いと思う。ゆっくり歩いても2時間ぐらいのコースので、一度散歩してみてはいかがだろうか。