吾郎の語録

トラベルガイド株式会社社長の阿部吾郎が、思いつくまま勝手なことを述べるブログです。できるだけためになる事を書こうと思いますが、どうでもいいこともたくさん書きますので適当にお付き合いください。

毛が抜けた

癌の再発が見つかり、抗がん剤治療をスタートすることになった時、医師から治療に関して説明される際、副作用で毛が抜けますと言われた。「毛抜けるんですか!」と私が言うと、医師は、抜けますがこれは抗がん剤が細胞分裂が活発な正常な細胞にも作用する結果で、毛が抜けるからと言って、そんなに心配することはありませんと説明してくれた。男なんだから、別に毛ぐらい抜けても大丈夫ですよね?まさか、そんなことで治療を躊躇しませんよね、と言われていると感じたのだが、私の考えすぎか?


抗がん剤治療がスタートして、2回目の投与後ぐらいから、急に抜け出した。放射能の被害やがん治療なんかをテーマにしたドラマで、髪をかき上げたら手に大量の毛髪があってショックを覚えるシーンなんかがよくありますが、まさにあれと同じです。朝起きたら、枕の周辺が毛だらけ、風呂に入ったら排水溝が詰まりそうな状態です。気持ち悪いので、バリカンを買ってきて丸坊主にしました。これで、抜けるのはあまり気になりませんし掃除も楽です。

私は、昔からかなり体毛が濃く、胸から腹にかけてかなり毛が生えていました。すね毛や腕の毛も濃かったです。これらも、ほぼすべて抜けてツルツルになりました。もちろん、下の毛も。それから、眉毛やまつ毛がなくなって人相が変わってしまいました。鼻毛もなくなって、鼻水が出るとストレートに垂れてきます。

 

これ、女性だったら本当にショックだと思います。でも、男性なら、まあいいかと言うと、そうでもないんですよ。やっぱり、本来の自分の容姿が失われるのは男性でもショックです。鏡見たら「誰やねんこれ」って感じですからね。それに、この容姿では、例えば幼稚園や学校関連の撮影の仕事とか、自治体や企業への撮影業務の営業とか、ちょっと難しいですよね。仕事にも、直接影響してきます。自分の毛深さに多少のコンプレックスがあったので、ツルツルの自分の体を見て妙な感動があったのも事実ですが・・・

 

抗がん剤の種類がゲムシタビンとアブラキサンからオニバイド+5FUに変わったというような話は先日書きましたが、実は抗がん剤の種類が変わったらちょっと毛が生え始めました。ゲムシタビンとアブラキサンは、もろに毛が抜けるのですが、オニバイド+5FUはそれほど毛が抜ける副作用は強くないそうです。まだ、頭髪はポヤポヤした産毛のようなものしか生えていませんが、眉毛とまつ毛がほぼ戻りました。これはうれしいです。眉毛とまつ毛が無いとかなり病的な感じになるのですが、頭髪が無くても眉毛とまつ毛さえあれば、単なる禿げたおじさんですから。ついでに、体毛も生えてきてツルツル肌ともお別れとなりました。これから、頭髪がちゃんと生えるかどうかはまだわかりません。

 

最近、テレビでも「容姿ネタ」に関して、いろいろ話題になっていますが、やはり配慮は必要ですね。毛が抜けたという、その程度の事と言えばその程度の事ですが、こんなおじさんでも、自分本来の容姿が失われるのはショックがありました。自分がその立場に立ってみないと、実感としてわからない事というのは、ありますね。